部門

放射線科

放射線診断科・放射線治療科では、尾張北部医療圏の急性期医療を担う当院の画像検査を支えるために、高性能なCT装置をはじめさまざまな放射線機器やMRI装置、超音波診断装置を整備し、スタッフの医療スキル向上に日々取り組んでいます。新たに3T-MRI装置、PET-CT装置を導入し、機能の充実を図ると共に、放射線治療装置、ガンマナイフの最新機器への更新で、がん診療においても更に充実した医療機器環境が整っています。スタッフ一人ひとりが恕の心で患者さんに寄り添い、安全・安心な放射線検査、放射線治療をタイムリーに実施することで地域医療に貢献したいと考えています。

スタッフ構成(2023.5現在)

医師常勤5名
診療放射線技師常勤43名、非常勤5名

2020年-2022年実績

一般撮影部門

一般撮影室

一般撮影室は胸部・腹部、骨一般、歯科領域など撮影部位別に4室配置しています。
受像系を全てFPDで運用し、撮影のスループットを上げることで検査の待ち時間の短縮を図ると共に、被ばく線量の低減に努めています。

SHIMADZU RAD speed pro ・ FUJIFILM DR CALNEO HC
SHIMADZU RAD speed pro ・ FUJIFILM DR CALNEO HC

歯科CT・オルソパントモグラフィ撮影装置

歯科領域専用の撮影室を1室配置しています。歯科用オルソパントモグラフィ装置では歯科用高精細CTの撮影も可能です。

YOSHIDA X-era Smart 3D
YOSHIDA X-era Smart 3D

デジタルマンモグラフィ装置

当院では、2022年度に乳房専用X線装置をデジタルマンモグラフィ装置(FUJIFILM社製 AMULET innovality)に更新しました。この装置では乳房を圧迫板で挟み、薄く伸ばした状態で撮影をします。薄く伸ばすことで高画質と低線量を両立しています。最新の技術を駆使した装置で、X線を受け取るセンサーを細かくし、感度を上げて更に高画質を得る事が可能になりました。そのうえ画像処理の進歩により、乳腺に隠れている腫瘤や石灰化が見つかりやすくなりました。
またこの装置では範囲限定ではありますが、高解像度の断層画像を得る撮影技術、トモシンセシス撮影も同時に行うことができます。1つの装置で2種類の画像を提供することで、より一層診断しやすくなり、診療に役立っています。
マンモグラフィ撮影認定放射線技師が在籍し、撮影・検査はすべて女性技師のみで対応しています。

3Dマンモグラフィ(トモシンセシス機能)とは?

通常のマンモグラフィ装置で得られる画像(2D)は厚みのある乳房の中身(乳腺、脂肪、病変など)がすべて重なり合っており、乳癌が隠れてしまう可能性があります。
3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)は、下図のように角度を変化させてX線を曝射してデータを収集することで、1回の撮影で1mmごとの断面像を20~80枚得ることができる撮影技術です。
その画像の中から任意のスライスの観察が可能となり、より質の高い画像診断が期待できます。

3Dマンモグラフィ(トモシンセシス機能)の撮影方法

通常のマンモグラフィと同様に乳房を圧迫した状態で撮影します。トモシンセシス機能を用いて撮影する分、撮影時間は少し長くなりますが、1回の圧迫時間は20秒ほどです。
最新の撮影装置を導入したことにより、通常マンモグラフィに加えて3Dマンモグラフィを撮影しても、通常のマンモグラフィと同等の被ばく線量で撮影可能です。

乳腺バイオプシー装置

乳腺バイオプシー装置(HOLOGIC社製 Affirm Prone Biopsy System)では、乳がんの生検(マンモトーム)といった精査目的の検査も行っています。マンモトームとは、マンモグラフィステレオガイド下乳房吸引式組織生検を指します。マンモグラフィ同様に乳房を圧迫したまま早期乳がん発見の手掛かりとなる石灰化をステレオ撮影(立体的に位置を把握する撮影)並びにトモシンセシス撮影(範囲限定の断面撮影)にて描出し、位置を特定し、針を刺して乳房組織を採取します。当院の装置では、うつ伏せで組織を採取するため、針を刺されるところを見ることなく、従来の座位法よりも低侵襲といえます。また通常のステレオ撮影に加えトモシンセシス撮影ができるようになり検査時間の短縮もできるようになりました。

HOLOGIC社製 Affirm Prone Biopsy System
HOLOGIC社製 Affirm Prone Biopsy System

骨塩定量測定

X線TV部門

FPD搭載デジタルX線テレビ装置を放射線部門に3台(島津製作所 SONIALVISION G4)と内視鏡センターに3台(キャノンメディカルシステムズ Ultimax™-i・ZEXIRA™)配置し、検査から治療まで幅広く利用しています。画像の歪みの無いデジタル画像が得られ、画像観察範囲も広いため、消化管造影や婦人科・泌尿器科領域の撮影に活用しています。また、内視鏡センターでは、透視下で実施する内視鏡併用検査(BF、CF、ERCPなど)に使用しています。患者さんの体位を極力変えることなく多方向 から透視・撮影による目的部位の観察が可能です。

SONIALVISION G4
SONIALVISION G4
Ultimax™-i
Ultimax™-i

CT部門

CT装置は64列128スライスDual Source(SIEMENS社製SOMATOM Definition Flash)1台と64列128スライスSingle Source(SIEMENS社製SOMATOM Definition Edge)2台が稼働し、年間37,000件近い検査を行っています。Dual Source CTは超高速スキャンにより広範囲を短時間に撮影が可能で、また、心臓などの動く臓器の撮影においても非常に有用です。新しい被ばく低減機構を搭載した「患者さんに優しい」CT装置で、安心して検査を受けていただくことができます。

SOMATOM Definition Edge
SOMATOM Definition Edge
SOMATOM Definition Flash
SOMATOM Definition Flash

CT検査を受けられる患者さんへ

検査前の注意事項

●単純CT検査を受けられる方
基本的に飲食は可能です。ただし、腹部CTを受けられる方は検査3時間前からの絶食をお願いします。

●造影CT検査を受けられる方
検査部位に関係なく検査3時間前からの絶食をお願いします。ただし、水、お茶などの飲水は可能です。

検査後の注意事項

検査後は普段どおりの生活をしてかまいません。なお、造影検査を受けられた方は、造影剤を早く排泄するために、水分を積極的に摂ってください。また、造影剤は母乳へ移行しますので、検査後48時間は授乳を控えてください。

MRI部門

新病院移転に伴い、3T-MRI装置(PHILIPS社製 Ingenia3.0T)1台と1.5T-MRI装置(SIEMENS社製MAGNETOM Aera1.5T)3台をすべて更新しました。脳神経領域から整形、体幹部および循環器領域までの幅広い検査や造影剤を使わずに血管(MRA)、胆道系膵管(MRCP)を描出することが可能です。時間外の救急検査にも24時間即時対応し、脳梗塞治療における早期診断・治療にも寄与しています。装置は70cmオープンボアと145cmショートガントリにより圧迫感が少なく、閉所が苦手な患者さんでも安心して検査を受けていただくことができます。

Ingenia3.0T
Ingenia3.0T
MAGNETOM Aera1.5T
MAGNETOM Aera1.5T

検査の流れ

MRI検査をより安全に受けていただくために、検査前に注意事項について確認をさせていただきます。

  1. 必要に応じて着替えをしていただきます。着替えに支障のある方は予め金属のついていない服装でお越しください。
  2. 検査室に入る前に注意事項についてスタッフが確認します。
  3. 検査用ベッドに寝ていただきます。(体の位置がずれないように固定をする場合があります)
  4. 検査中に気分が悪くなった場合の連絡用にブザーをお渡しします。(検査中はスタッフとマイクを通じていつでも会話ができます。)
  5. 音を和らげるために耳栓を着けていただきます。
  6. 検査がはじまると「トントン」という音がしますが装置から出る音ですので心配はいりません。動かないように寝ていてください。(検査部位によっては、息を止めていただくことがあります。)
  7. 検査の内容によっては造影剤を静脈注射して検査を行う場合があります。

MRI検査の注意事項

MRI検査室は常に強い磁場が発生しています。磁石にひきつけられたり、画像に影響する金属類については検査前にスタッフが確認し、取り外していただきます。
以下の方はMRI検査を受けることができない場合がありますので、事前にスタッフにお知らせください。

検査を受ける事ができません

  • 心臓ペースメーカーを使用している方(条件付MRI対応ペースメーカーは除く)
  • 人工内耳を埋め込まれている方
  • 可動型義眼を装着している方

検査を受けることができない場合があります

  • 脳動脈瘤の手術を受け金属クリップを入れている方
  • 金属製の心臓人工弁を入れている方
  • その他の金属を体内に入れている方(眼に金属粉等が入っている可能性のある方)
  • 妊婦又は妊娠している可能性がある方
  • 閉所恐怖症の方

超音波検査部門

放射線科では、肝臓・胆のう・すい臓・腎臓・脾臓を検査する腹部エコー、乳房組織や腫瘍の有無を検査する乳腺エコー、甲状腺の大きさや腫瘍の有無を検査する甲状腺エコーを、超音波検査士の資格を持つ診療放射線技師が行っています。

超音波診断装置
超音波診断装置

核医学部門

核医学検査とは、自ら放射線を放出する微量な放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)を含んだ医薬品を静脈注射や内服して、体内のRI集積部位からでるガンマ線を特殊なカメラで検出し、それを画像化する検査です。当院は核医学検査機器としてPET/CT装置、SPECT/CT装置、SPECT装置の3台を有しています。
また、131I、89Sr、90Y、223Raを用いた放射性同位元素内用療法も実施しています。

PET/CT検査

新たに導入したPET/CT装置は、検出器幅が体軸方向に最大26cmと高感度で、「画質」と「定量精度」双方の両立と向上を可能にする画像再構成機能を搭載した最新鋭の装置です。がんの早期発見、良性悪性の判断、がんの部位や広がりの診断、治療効果の判定、再発や転移の診断、虚血性心疾患の診断、難治性てんかんの診断などに有用です。

PET/CT装置
PET/CT装置

SPECT/CT・SPECT検査

SPECT/CT装置とSPECT装置の2台が稼働しています。機能画像と解剖学的画像の融合が可能なSPECT/CT装置を新しく導入したことで、核医学画像の診断精度の向上が期待でき、また、様々な検査で診断に適した定量値を迅速に提供します。

SPECT/CT装置
SPECT/CT装置
SPECT装置
SPECT装置

血管撮影部門

新病院よりICU、手術室に隣接して血管造影センターが設置されました。これにより他部門との連携が容易になり、緊急時の素早い対応が可能となりました。FPDを搭載した血管撮影装置3台(SIEMENS:Artis Q BA、PHILIPS:Azurion 7、キャノンメディカルシステムズ:INFH-8000V)を配置し、血管造影検査からIVRという治療まで幅広く利用しています。新しい装置の導入で、より高精細な画像で精密な治療、検査が可能となります。また、血管の3D画像作成や、血管画像とCT/MR画像を合成するなどのアプリケーションを利用することでより早くより安全にインターベンション治療が行えます。

Azurion 7
Azurion 7
Artis Q BA
Artis Q BA

放射線治療部門

認定資格

第1種放射線取扱主任者原子力規制委員会
放射線治療専門放射線技師日本放射線治療専門放射線技師認定機構
放射線治療品質管理士放射線治療品質管理機構
医学物理士医学物理士認定機構
検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師日本乳がん検診精度管理中央機構
超音波検査士(消化器)日本超音波医学会
超音波検査士(体表臓器)日本超音波医学会
X線CT認定技師日本X線CT専門技師認定機構
磁気共鳴専門技術者日本磁気共鳴専門技術者認定機構
医療情報技師日本医療情報学会
核医学専門技師日本核医学専門技師認定機構
血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師日本血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師認定機構
救急撮影認定技師日本救急撮影技師認定機構
Ai認定診療放射線技師日本診療放射線技師会
放射線管理士日本診療放射線技師会
放射線機器管理士日本診療放射線技師会
臨床実習指導教員日本診療放射線技師会