看護師特定行為研修に
ついて

メッセージ

医療の高度化・複雑化が進む現代において、医療の質を維持しながら、患者さん一人ひとりに対して安全かつ適切なタイミングで必要な医療を提供するためには、チーム医療の一層の推進が不可欠です。その中で看護師が、患者さんの状態を的確に評価し、医師の判断を待つことなく、あらかじめ定められた手順書に基づき診療の補助を行うことができる体制の構築が求められています。これを実現するため、特定の行為を担うことができる看護師の養成は極めて重要な役割を担っています。

看護師特定行為研修制度は、平成26年6月に創設され、平成27年10月より運用が開始されました。当院では、令和元年の新病院移転を契機に研修センターを中心として検討を重ね、令和3年2月に「看護師特定行為研修指定研修機関」の指定を受け、同年7月より研修を開始しました。

開設当初は外科系基本領域パッケージ研修のみの実施でしたが、その後、術中麻酔管理領域パッケージや腹腔ドレーン管理関連区分を新たに加え、研修内容の充実と拡充を図ってきました。さらに、研修の運営にとどまらず、特定行為を安全かつ円滑に実施するための体制整備にも注力し、令和4年8月より看護師による特定行為の実施を開始しています。

現在では、毎年複数名の研修修了者を継続的に育成し、看護の質の向上とチーム医療の深化に貢献しています。今後も小牧市民病院は、地域に求められる高度な実践力を備えた看護師の育成に取り組み、地域医療を支える中核病院としての役割を果たしてまいります。

副院長 特定行為研修責任医師
望月 能成

看護師特定行為研修への取り組み

当院は看護師特定行為研修指定研修機関です

当院は、令和3年2月に「看護師特定行為指定研修機関」として指定を受け、令和3年7月から第1期生の研修を開始しています。研修においては、当院の理念に基づき、全ての人々の尊厳を重んじ、高度急性期医療、及び地域包括ケア医療の現場において、看護師特定行為を実施する上で必要となる学習環境を継続し提供しています。

当院の理念

1.安全で質の高い急性期医療を行います
2.恕の心で患者さんに寄り添う病院を目指します
3.医療を通じて、安心して暮らせる地域の実現に貢献します

教育目的

本研修においては、外科系基本領域の現場において、看護師が手順書により特定行為を行う場合に特に必要とされる実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能の向上を図ることを目的とします。

教育目標

  • 多様な臨床場面において重要な病態の変化や疾患を包括的にいち早くアセスメントする基本的な能力を身につける。
  • 多様な臨床場面において必要な治療を理解し、ケアを導くための基本的な能力を身につける。
  • 多様な臨床場面において患者の安心に配慮しつつ、必要な特定行為を安全に実施する能力を身につける。
  • 問題解決に向けて多職種と効果的に協働する能力を身につける。
  • 自らの看護実践を見直しつつ標準化する能力を身につける。
  • 医師の指示の下、手順書により、身体所見、検査所見、画像所見等が医師から指示された病状の範囲にあることを確認し、安全に特定行為を行えるようになる。
  • 手順書案を作成し、再評価、修正できる能力を養う。
  • 医師から手順書による指示をうけ、実施の可否を判断するために必要な知識を学ぶ。
  • 実施、報告の一連の流れが適切に行える。

特定行為研修とは

看護師が手順書により特定行為を行う場合に、特に必要とされる実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技術の向上を図るための研修であって、特定行為研修の基準に適合するものであることとされています。研修は、全ての特定行為区分に共通するものの向上を図るための「共通科目」と特定行為区分ごとに異なるものの向上を図るための「区分別科目」で構成されます。詳しくは厚生労働省ホームページをご参照ください。

特定行為研修とは (厚生労働省ホームページ)

当院で実施している特定行為研修

当院では、2つのコースで特定行為研修を実施しています。
特定行為区分毎の研修ではなく、パッケージ化することで外科系領域の様々な内容を網羅的に学習することができます。
小牧外科系パッケージは院外の受講も可能としています。

コース1

小牧外科系パッケージ(8行為)

外科基本領域パッケージ

  • 中心静脈カテーテルの抜去
  • 褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
  • 創部ドレーンの抜去
  • 直接動脈穿刺法による採血
  • 脱水症状に対する輸液による補正
  • 感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与
  • 中心静脈カテーテルの抜去
  • 硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整

腹腔ドレーン管理関連

  • 腹腔ドレーン管理関連
    (腹腔内に留置された穿刺針の抜針を含む)

コース2

術中麻酔管理領域パッケージ(8行為)

  • 経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整
  • 侵襲的陽圧換気の設定の変更
  • 人工呼吸器からの離脱
  • 直接動脈穿刺法による採血
  • 橈骨動脈ラインの確保
  • 脱水症状に対する輸液による補正
  • 硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整
  • 持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整(院内の看護師のみ受講可能)

一年間のスケジュール

※共通科目は、月に5~6日の動画視聴と2日程度の対面授業があります
※区分別科目開始となる11月からは、実習が終了するまで部署を離れて研修に集中します

研修の風景

  • 人工呼吸器演習
  • 創傷管理演習
  • 挿管演習
  • 医師指導
  • 医師指導
  • 審査
  • 講義
  • 面談演習
  • 特定行為看護師研修室

募集要項について

3月に募集要項を案内します。

看護師による特定行為の実施

小牧市民病院では、患者さんによりタイムリーなケアを提供するため、特定行為研修を修了した看護師が医師の指示に基づき、自身の判断で特定行為を実施しています。当院では、特定行為の実施許可を受けた看護師を「特定看護師」と呼称し、黄色いユニフォームを着用し活動しています。

特定看護師 看護師特定行為研修を修了し、当院で特定行為の実施許可を受けた看護師
特定認定看護師 看護師特定行為研修を修了し、当院で特定行為の実施許可を受けた認定看護師

特定行為研修とは

特定行為とは、保健師助産師看護師法第三十七条の二で認められた診療の補助業務です。看護師が医師の指示に基づく手順書により行う特定行為は、実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が特に必要とされる行為であり、21区分38行為あります。詳しくは厚生労働省ホームページをご参照ください。

特定行為研修とは (厚生労働省ホームページ)

実施している特定行為

当院が実践している特定行為は下記のとおりです。

(令和8年1月15日現在)

  • 経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整
  • 侵襲的陽圧換気の設定の変更
  • 非侵襲的陽圧換気の設定の変更
  • 人工呼吸器からの離脱
  • 気管カニューレの交換
  • 腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された穿刺針の抜針を含む)
  • 中心静脈カテーテルの抜去
  • 褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
  • 創部ドレーンの抜去
  • 直接動脈穿刺法による採血
  • 橈骨動脈ラインの確保
  • 脱水症状に対する輸液による補正
  • 硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整
  • 持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整

特定行為研修修了者の活用と配置

患者さんによりタイムリーなケアを提供するため、複数の部署に特定看護師を配置しています。
特定看護師は、所属部署で実施可能な特定行為を実施しており、
チームに所属する特定認定看護師は活動日に組織横断的に特定行為を実施しています。

特定看護師の活用と配置は、図のように3パターンあります。

A. 所属部署での活動

部署で看護業務中に実施

B. チームに所属し、組織横断的に活動

チームのラウンド時に実施

C. 診療科配置での活動

活動日を設けて実施

令和2年度から3年度厚生労働行政推進調査事業費補助金「特定行為研修修了者の複数配置に関する実態把握及び有効活用に影響する要因の調査」特定行為研修修了看護師の組織的配置・活用ガイドより(令和8年1月15日現在)

症例検討会の実施

特定看護師は、特定行為検討チーム会を運営し、
定期的に話し合い手順書の見直しや症例検討会を実施しています。

特定看護師通信