令和2年度 小牧市民病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 539 197 265 361 787 1174 1861 3997 2245 343
 年齢階級別退院患者数は、小牧市民病院を退院した患者さんの年齢を10歳刻みで集計したものです。当院は、地域の中核病院として急性期医療やがん治療、周産期医療や小児疾患など幅広い年齢層の患者さんを診療しています。中でも「地域がん診療連携拠点病院」として積極的に行っているがんの治療や、救急対応となることも多い循環器疾患の患者さんが多く含まれる60歳以上の患者さんは、令和元年度には67.6%でしたが令和2年度には71.7%と大きく増加しました。一方、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、外出の自粛や手洗い、うがいなどの感染対策への意識の向上により、疾患分布の多くを感染症が占める小児の患者さんが大きく減少し、0~9歳の患者さんが占める割合も令和元年度8.2%から令和2年度4.6%と大きく減少しております。
 昨年度公表しました同指標と比べますと、患者数合計は678人減少しました。年代別の分布割合では、50代(+1.3%)、70代(+0.3%)、80代(+6.7%)、90代(+6.5%)が増加し、9歳以下(-47.1%)、
10代(-16.2%)、30代(-4.2%)、40代(-15.5%)、60代(ー7.1%)が減少しました。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり(経気管肺生検法) 手術・処置等2なし 151 2.77 3.39 0 73.31

気管支鏡検査

040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり(化学療法) 定義副傷病なし 86 8 9.42 0 70.72
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 43 21.14 18.61 4.65 71.88
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり(終夜睡眠ポリグラフィー(その他)) 35 2 2.04 0 54.11
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 34 15.88 13.3 0 77.29
 当院の呼吸器内科では、肺がん、呼吸器感染症、気管支喘息、COPD、間質性肺炎など多種多様な呼吸器疾患に幅広く対処できるよう体制を整えています。特に肺がんにおいては、上記にもありますように当院における患者さんの割合が多い疾患であり、手術適応に関して当院の呼吸器外科と連携して慎重に決定し、手術適応でない患者さんには化学療法や分子標的治療、免疫療法、放射線治療など、肺がんのタイプや進行度に合わせて適切な治療法を提案させていただいております。また、積極的な治療が難しい患者さんに対しても、緩和ケアチームと協力して症状緩和やQOL(生活の質)向上に努めています。このように、当院は尾張北部医療圏における地域がん診療連携拠点病院としての役割を担っています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等(内視鏡的胆道ステント留置術等) 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 138 8.37 9.53 0.72 73.85
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 49 8.29 8.11 0 73.63
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 40 6.75 7.74 0 63.1
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり(血管塞栓術(選択的動脈化学塞栓術)) 手術・処置等2なし 34 6.44 10.7 0 75.12
060010xx99x40x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 手術なし 手術・処置等24あり(化学療法) 定義副傷病なし 30 7.27 9.31 0 71.03
 当院の消化器内科では、食道、胃、十二指腸、大腸などの消化管の診断と治療、肝胆膵疾患の診断と治療など多岐多彩にわたる臓器の治療を担っています。当院は三次救急病院であるため、緊急検査も多く実施しており、消化管疾患に対する内視鏡等は常時可能な状態とするよう努め、緊急時の迅速な対応を心掛けています。また、超音波内視鏡による粘膜下腫瘍の診断やがんの進達度診断の向上に努めており、早期の食道・胃・大腸がんに対しては、可能な限り内視鏡的切除を行っています。総胆管結石、悪性腫瘍等における閉塞性黄疸に対しては、ステント等によるドレナージを多く実施しています。ウイルス性肝炎に対しては、インターフェロンや抗ウイルス剤の使用についても積極的に行っています。また、肝がんに対しては、選択的肝動脈塞栓療法、ラジオ波による焼灼治療を積極的に取り組んでいます。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり(心臓カテーテル検査) 手術・処置等2なし 308 2.08 3.07 0 68.43

冠動脈造影(前日入院_下肢)

冠動脈造影(前日入院_上肢)

冠動脈造影(当日入院)

050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 245 4.17 4.95 0 67.32

アブレーション

050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 170 3.46 4.44 0 70.82
050130xx9900xx 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 156 16.62 17.23 6.41 79.08
050050xx9920xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等12あり(心臓カテーテル検査+血管内超音波検査等) 手術・処置等2なし 116 2.31 3.26 0 70.99

冠動脈造影(前日入院_下肢)

冠動脈造影(前日入院_上肢)

冠動脈造影(当日入院)

 上記第1位の症例である「狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11(心臓カテーテル検査)あり 手術・処置等2なし 副傷病なし」は、当院全体で最も多い症例数です。
 当院の循環器内科は、日本循環器学会研修施設、日本心血管インターベンション治療学会研修施設に認定され、名古屋北部を含む尾張北部地域の循環器医療を担っています。また、植え込み型除細動器(ICD)認定施設、心臓同期療法(CRT)認可施設、腹部ステントグラフト実施施設、ロタブレーター認可施設となっています。循環器疾患は緊急での初期治療が極めて重要であり、24時間体制で急性冠症候群(不安定狭心症、急性心筋梗塞)に対する緊急冠動脈インターベンション(PCI)(第3位の症例)、急性肺動脈塞栓、深部静脈血栓症に対する血栓溶解、血栓吸引療法及び静脈フィルター留置術などの急性期の血管内治療、及び急性心不全、急性大動脈解離などの急性疾患に対処しています。さらに、不整脈に対するカテーテルアブレーション治療(第2位の症例)やペースメーカー治療、重症心不全に対する心臓再同期治療、肺高血圧症に対するフローランの持続療法、閉塞性動脈硬化症に対する末梢血管のカテーテル治療、心臓血管外科と合同で行う腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術、ハイブリッド末梢血管治療など循環器領域全般にわたる治療を行っています。なお、2019年の新病院移転の際にハイブリット手術室を導入し、2020年10月に経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)実施施設認定を受け治療を開始しています。ハイブリット手術室はTAVI以外においても、血管内治療中に外科的な治療が必要になった際に患者さんを移動させることなく治療することが可能であり、より安全で難易度の高い治療が提供できます。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等25あり(リツキシマブ+フィルグラスチム) 51 21.47 20.27 1.96 72.43

悪性リンパ腫化学療法

130030xx97x50x 非ホジキンリンパ腫 手術あり(リンパ節摘出術等) 手術・処置等25あり(リツキシマブ+フィルグラスチム) 定義副傷病なし 31 26.1 31.9 0 73.65

悪性リンパ腫化学療法

130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり(リンパ節摘出術等) 手術・処置等22あり(化学療法) 23 28.87 38.35 0 64.26
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等24あり(リツキシマブ) 22 17.82 11.14 0 68.41

悪性リンパ腫化学療法

130040xx99x5xx 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術なし 手術・処置等25あり(ボルテゾミブ等) 18 24.94 21.52 0 70.39
 血液内科の主な対象疾患は、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群などの造血器腫瘍ですが、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病などの非腫瘍性疾患も含めた血液の病気全般を診療しています。血液内科は専門性が高いことから、地域の中核病院でも常勤医を持たないことが多い領域です。そのため、当院の血液内科の医療圏は、小牧市内に限らず名古屋北部も含む尾北地区の広範囲にわたっています。
 当科では毎週カンファレンスを行い、患者さんの治療方針について話し合いを行っています。基本的には「造血器腫瘍診療ガイドライン」に基づいた治療を励行していますが、患者さんの年齢、合併症などガイドライン通りの治療が困難な場合などは、患者さんと相談して最善の治療法を選択するなど柔軟な対応にも努めています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 25 8.08 11.04 0 51.04
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等(内シャント造設術) 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 23 5.35 8.15 0 70.78
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2なし 12 18.58 20.56 0 53.58
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり(人工腎臓) 14.01
110280xx02x01x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等(内シャント造設術) 手術・処置等2なし 定義副傷病あり 18.89
 当院の腎臓内科は、腎炎、ネフローゼ症候群、腎不全、膠原病(SLE・強皮症などの腎症状を呈する疾患)を担当しています。通常の血液透析以外に持続血液透析濾過(CHDF)、エンドトキシン吸着(PMX)、血漿交換(PE)、顆粒球吸着(G-CAP)など様々な血液浄化療法に対応しています。
 2020年の腎臓内科入院患者総数(一般内科を除く)は157名であり、腎生検数は34件、手術件数は65件、経皮的血管形成術(シャントPTA)は22件でした。腎生検は4泊5日の入院で行っており、複数の専門医による病理診断を行い患者さんに最適の治療法を選択しています。
糖尿病・内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり(インズリン) 48 10.33 14.6 0 62.54
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 17 9.71 13.33 0 51.59
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2なし 11.26
100140xx99x00x 甲状腺機能亢進症 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 10.54
10008xxxxxx1xx その他の糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり(インズリン) 18.87
 当院の糖尿病・内分泌内科では、糖尿病、内分泌疾患を診療の対象としています。糖尿病教育やインスリン導入は、入院に比較して患者さんの時間的な制約や経済的な負担が小さい外来をメインに行っております。
また、内分泌疾患の各種の機能検査においても、可能な限り外来で実施しています。入院においては、外来診療で血糖コントロールの達成が難しい患者さんに対する教育入院(上記の第1位、第5位)、緊急疾患の症例(第2位)等を主に診療しています。患者さんの負担を考慮して、可能な限り早期の退院を心がけているため、全国に比較して在院日数が短い結果となっています。看護局、栄養科、薬剤部、検査部、リハビリ科、医務局の各部門スタッフで構成する糖尿病サポートチームと協力し、管理栄養士による栄養指導、看護師及び管理栄養士による透析予防外来、看護師によるインスリン自己注射の指導、臨床検査技師による血糖自己測定の導入、糖尿病教室等を実施しています。
総合内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり(エダラボン) 定義副傷病なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 103 12.43 15.64 25.24 70.03
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 77 11.03 13 0 74.87
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 70 19.56 20.51 20 84.61
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり(エダラボン) 定義副傷病1あり 発症前Rankin Scale 0、1又は2 45 11.02 17.35 20 73.98
110290xx99x0xx 急性腎不全 手術なし 手術・処置等2なし 37 14.62 14.03 18.92 75.08
 当院の総合内科では、呼吸器・消化器・循環器等の疾患において専門領域まで至らない病態の患者さんや、脳梗塞をはじめとする脳神経内科疾患、さらには感染源がはっきりとしないような感染症を担当、治療に当たっています。従いまして、脳梗塞、感染症、誤嚥性肺炎が入院の主因となっています。脳梗塞においては、当院と他の病院・診療所との間において地域連携パスによる急性期治療後のリハビリテーションを連携しているため、脳梗塞における転院率が高い状況となっています。 
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害 (出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 58 6.84 6.13 1.72 0
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1あり(小児食物アレルギー負荷検査) 44 1.05 2.12 0 2.57

食物アレルギー

040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 33 6.61 6.46 0 4.21
030270xxxxxxxx 上気道炎 29 4.55 4.85 0 1.72
060380xxxxx00x ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 29 4.24 5.86 0 3.14
 当院の小児科では、新生児・小児科的疾患全般を担当しています。尾張北部医療圏における三次救急医療機関として、連日当直医を置き、夜間、休日ともに小児救急医療に対応しています。急性疾患の管理のみならず、アレルギー疾患、内分泌疾患、腎疾患、循環器疾患、神経疾患などの小児慢性疾患の治療も行っています。また、尾張北部を代表とする地域周産期母子医療センターとして、新生児特定集中治療室(NICU)や新生児治療回復室(GCU)を備え、24時間365日にわたり地域の周産期医療を行っています。近隣産科開業医から、ハイリスクの妊婦さんを母体搬送していただき、産科と協力し地域の周産期の業務も担っています。さらに院外出生の病的新生児の受け入れ対応も行っています。当院は日本小児科学会認定研修施設および日本周産期・新生児医学会指定研修施設に認定されています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 133 3.37 4.86 0.75 69.8

腹腔鏡下鼠径ヘルニア

090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術 (腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 105 8.9 10.3 0 62.86
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 98 5.5 7.23 0 62.98
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 74 5.19 6.41 0 62.45
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術  全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 68 11.85 16.19 0 71.35
 当院の外科では、消化器(食道、胃、大腸、肝臓、膵臓など)と乳腺の悪性疾患、良性疾患(胆石症、胆のうポリープ、炎症性腸疾患など)や腹部の緊急疾患(腸閉塞、虫垂炎、大腸憩室炎など)と多岐にわたる診療を担っています。特に、地域がん診療連携拠点病院としてがん治療に積極的に取り組んでおり、診療ガイドラインに基づいたがん治療を行うとともに、名古屋大学を中心とした中部臨床腫瘍機構(CCOG)の臨床試験に数多く参加し、少しでも患者さんにとってメリットのあるがん治療法の開発にも参画しています。
 外科治療は患者さんの身体に負担を与えたうえで成り立つ治療法であることから、体の負担が少ない腹腔鏡手術を良悪性問わず積極的に取り入れ、また、2019年の新病院移転の際には手術支援ロボット(ダヴィンチ)を導入し、より精密かつ安全性の高い治療を提供しています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010010xx9906xx 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等26あり(ガンマナイフによる定位放射線治療) 164 3.59 4.04 2.44 63.12
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし(慢性硬膜下血種穿孔洗浄術等) 定義副傷病なし 62 8.18 9.68 3.23 75.16

慢性硬膜下血腫

010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満)手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 57 15.14 18.86 64.91 65.19
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 36 4.28 8.18 13.89 54.72
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし(造影剤注入手技 動脈造影カテーテル法) 28 2 3.04 0 65.71
 当院の脳神経外科では顕微鏡手術の他、ガンマナイフを含む画像診断を用いた定位脳手術、内視鏡手術、カテーテルを使用した血管内手術、難治性疼痛に対する刺激電極挿入など幅広く脳神経外科疾患の最先端の治療を専門的に行っています。特に定位的放射線治療装置であるガンマナイフは、1991年5月に全国に先駆けて導入し、約9,000人以上の患者さんに対して治療してきました。令和元年5月の新病院移転と同時にガンマナイフ最新ユニットを導入したことにより、従来のような頭蓋骨にフレーム固定せずに治療することが可能となり、単回照射だけでなく分割照射が可能になり、大きな腫瘍や視神経など重要組織近傍にある病変でも分割照射を行うことで安全に治療が可能となりました。
 当院の脳神経外科の特徴は外科手術、放射線治療、血管内治療、化学療法など様々な治療のエキスパートが揃っており、個々の疾患に対してあらゆる角度から最善の治療法を選択できることです。また、名古屋大学脳神経外科教室と連携し、いつでも大学病院と同等の先端治療が提供できるよう努めております。この地域の他の医療機関と連携して脳血管障害の急性期治療に対処しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 180 18.22 25.09 73.33 81.61

人工股関節置換術

070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 63 20.94 23.36 12.7 75.6

人工膝関節置換術

07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 44 20.61 21.03 11.36 68.61

人工股関節置換術

160700xx97xx0x 鎖骨・肩甲骨の骨折 手術あり(骨折観血的手術等) 定義副傷病なし 32 3.56 6.19 0 45.63
160740xx01xx0x 肘関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 定義副傷病なし 30 3.07 5.81 0 20.2
 整形外科では、上肢、下肢、脊椎など幅広い運動器の疾患や外傷を治療疾患としております。当院は高度な医療を担う三次救急医療機関であることから、多発外傷をはじめ交通事故や労働災害による外傷患者を広く受け入れています。治療の特色としましては、骨折の治療一般においては最先端の治療法を積極的に取り入れており、できる限り侵襲の少ない手術方法を選択することで患者さんの身体負担を軽減するよう努めています。また、高齢者の大腿骨頸部骨折の治療では、認知症などの合併症を予防する目的で積極的な手術療法と術後早期のリハビリテーションを行っており、当院と他の病院・診療所との間において地域連携パスによる急性期治療後のリハビリテーションを実施しています。なお、術後安定した患者さんにおいては早期転院を勧め、救急外傷の患者さんのためにベッドを確保するように努めています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 48 7.96 9.57 0 43.19

開腹手術

12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし 38 3 3.11 0 38.26

脊椎麻酔下腟式手術

120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 35 5.74 6.16 0 39.89

腹腔鏡手術(4日間)

12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 34 7.71 11.96 0 56.88

開腹手術

120100xx01xxxx 子宮内膜症 子宮全摘術等 26 6.38 7.3 0 39

開腹手術

腹腔鏡手術(4日間)

 当院の産婦人科では、産婦人科領域全般にわたる診療を行っており、当直制により救急患者さんに24時間対応できる体制をとっています。
 産科部門としましては、新生児特定集中治療室(NICU)と新生児治療回復室(GCU)を備えており、尾張北部医療圏の周産期母子医療センターに指定されていることから、近医よりハイリスク妊娠の紹介例も多く、小児科をはじめ他科の協力のもと母児の管理を行っています。
 婦人科部門におきましては、卵巣腫瘍、子宮筋腫、性器脱などの良性疾患の保存療法と手術治療を行っており、悪性腫瘍に対しては、手術に加え病期に応じた化学療法や放射線療法を行っています。また、症例に応じて腹腔鏡手術も導入しています。
 不妊部門にも力を入れており、令和元年度の新病院開院にあわせて「生殖医療センター」を開設しました。専従の培養士を配置し、タイミング治療や人工授精などの一般不妊治療から、体外受精や顕微授精など幅広い診療を行っています。
耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 46 7.96 7.94 0 20.39

口蓋扁桃摘出術

030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 38 6.21 5.63 0 41.42
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 25 6 6.71 0 51.28

全身麻酔ESS

030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 23 6.48 7.2 0 61.26

全身麻酔ドレーンあり

全身麻酔ドレーンあり(ロング用)

100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの)等 手術・処置等1なし 18 7.67 8.5 0 56.61

甲状腺摘出術

 耳鼻いんこう科では、耳(側頭骨、内耳、中耳、外耳)、鼻(鼻腔、副鼻腔)、咽頭(上咽頭~下咽頭)、喉頭のほか舌、口腔、唾液腺など比較的広範囲の疾患が治療対象となります。具体的にはめまいなどの神経耳科的疾患から頭頸部悪性腫瘍に至るまで多彩であり、また、上気道狭窄など緊急を要する疾患もあります。当院においては、頭蓋底操作が必要な悪性腫瘍のほか気管・気管支異物のように特殊なものについては大学病院に治療を依頼することもありますが、それら以外は耳の手術から再建を含む悪性腫瘍の手術までほぼ全領域の治療に対応しています。特に、慢性中耳炎・真珠腫の手術的治療、鼻副鼻腔炎及び鼻茸症に対する内視鏡下鼻副鼻腔手術、頭頸部腫瘍の治療を重点目標としています。なお、高齢化に伴う脳血管障害後の嚥下障害が社会的な問題にもなってきていますが、嚥下障害に関しては耳鼻いんこう科が中心となり嚥下機能評価を行い、リハビリのスタッフと密に連携し診療にあたっています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 16 3 2.76 0 75.63

白内障手術(2泊3日)

020150xx97xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く。) 手術あり 11 3 3.15 0 19.82
020370xx99xxxx 視神経の疾患 手術なし 11
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼 4.95
020160xx97xxx1 網膜剥離 手術あり両眼 10.86
 当院の眼科では、近隣の病院やクリニックとの連携を大切に患者さん本位の医療を目指しています。主に白内障手術を行っており、患者さんの身体的状態や眼の状態によっては日帰り手術も行っています。外来での白内障手術を411件実施しています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 31 12.19 12.87 0 69.58

蜂窩織炎

080020xxxxxxxx 帯状疱疹 26 8 9.12 0 69.27

帯状疱疹

080006xx99x3xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 手術なし 手術・処置等23あり(化学療法) 7.95
080100xxxx0xxx 薬疹、中毒疹 手術・処置等1なし 11.29
130111xxxxx00x アレルギー性紫斑病 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 11.84
 当院の皮膚科では、一般的な皮膚疾患に対する治療はもちろんのこと、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、膠原病などの難治性皮膚疾患に対し、総合病院の特色を活かして他科と連携をとりながら、皮膚科学会などのガイドラインに沿ったスタンダードな治療を行っています。入院においては、一般的な細菌感染症やウイルス感染症、薬疹が多く、そのほか水疱症(尋常性天疱瘡、類天疱瘡)、膠原病などの患者さんの治療を行っています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり(前立腺針生検法) 277 2.01 2.54 0 72.32
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 155 4.21 5.67 0 59.63
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 152 3.55 7.13 0 73.43
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 54 11.15 11.89 0 72.2
11012xxx04xxxx 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 50 2 2.66 0 58.74

体外衝撃波結石破砕術

 当院の泌尿器科では、尿路性器悪性腫瘍(前立腺がんや膀胱がん、腎がんなど)、尿路性器感染症(腎盂腎炎や膀胱炎、前立腺炎など)、尿路結石(腎結石や尿管結石など)、尿路良性疾患、尿路外傷、排尿障害や腎移植などを治療疾患としています。
 当院は、上部尿路結石治療として体外から衝撃波で破砕するESWL装置を1987年10月に愛知県下で最も早く導入し、1991年7月に日本で最初に腹腔鏡による腎臓摘出手術を施行、1992年に世界に先駆けて腎がんに対する腹腔鏡下根治的腎摘術を行うなど、先進的治療を積極的に取り入れているのが特徴です。近年では、腎部分切除、尿膜管遺残切除、腎盂形成術、尿管切石術、仙骨膣固定術など、今までは開腹で行っていた手術を順次腹腔鏡で行うようになり、2019年の新病院移転後からは手術支援ロボット(ダヴィンチ)を用いたロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術を開始し、2020年からは腎部分切除、膀胱全摘除術も手術支援ロボットで行うようになりました。また、腎移植においては、1986年2月に第一例目の献腎移植を行って以来38年の間に163例(生体腎を含む)実施しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、1年間移植を停止しています。そのほか、2008年1月より「排尿ケアセンター」を開設し、排尿障害の総合的な診療を行っています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 5.28
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 4.06
080006xx97x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) その他の手術あり 手術・処置等2なし 9.86
140210xx02xxxx 先天性耳瘻孔、副耳 副耳(介)切除術 3.06
161000x199x0xx 熱傷・化学熱傷・凍傷・電撃傷(Burn Index10未満) 手術なし 手術・処置等2なし 12.57
 当院の形成外科では、外傷や熱傷などの創傷治療のほか、マイクロサージャリー(顕微鏡を覗きながら特殊な機器を用いて行う手術)、顔面骨骨折、乳房再建、眼瞼下垂などの治療を行っています。創傷治療は、外傷や熱傷のほか、手術創や難治性潰瘍などさまざまな創傷を対象として湿潤療法を主体に行っています。また、マイクロサージャリーは、外傷による血管、神経損傷をはじめ、腫瘍切除に伴う欠損(頭頚部、乳がん等)に対する遊離組織移植による再建を行っています。
このように、体表奇形や後天性欠損などの疾患に対する形態的かつ機能的な修復再建を担っています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2なし 25 6.44 11.56 0 75.84

心臓血管外科手術

050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。)ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり(人工呼吸) 18 15.67 22.56 0 67.61

心臓血管外科手術

050050xx0101xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり(中心静脈注射) 17 17.12 22.22 0 66.82

心臓血管外科手術

050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。)腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 手術・処置等21あり(中心静脈注射) 12 17.67 19.98 0 72.08

心臓血管外科手術

050050xx0151xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等15あり 手術・処置等21あり(人工呼吸) 10 26.6 26.48 10 65.6

心臓血管外科手術

 当院の心臓血管外科では、成人の心臓血管外科全般を対象として外科治療を行っています。尾張北部医療圏における三次救急医療機関として救命救急センターを併設しており、不安定狭心症、急性心筋梗塞、急性大動脈解離、大動脈瘤破裂等の循環器系の重症救急患者さんに対して24時間体制で対応しています。当院の特徴として、心臓弁膜手術において日本でもいち早く僧帽弁形成術を行い、内視鏡下手術を導入するなど最先端の治療を行っています。また、弁膜症に対する弁形成術の選択、冠動脈バイパス術に対する脳合併症の少ないオフポンプという人工心肺を用いない方法の導入、さらには、小さな傷で行うMICS(低侵襲心臓手術)の導入など、患者さんに対して術中の負担が少なく、かつ、術後の長期間に及ぶ生活の質(QOL)に特に優れている治療法を積極的に導入しています。
 なお、2019年の新病院移転の際にハイブリット手術室を導入し、2020年10月に経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)実施施設認定を受け治療を開始しています。ハイブリット手術室はTAVI以外においても、血管内治療中に外科的な治療が必要になった際に患者さんを移動させることなく治療することが可能であり、より安全で難易度の高い治療が提供できます。
 2020年度の実績は手術総数215例であり、心臓大血管手術は98例でした。その内訳は虚血性心疾患手術30例、心臓弁膜症手術31例、胸部大動脈瘤手術21例、先天性心疾患手術3例、その他13例となっています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 93 9.59 10.83 0 71.32
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 39 9.56 10.08 0 34.9
040030xx01xxxx 呼吸器系の良性腫瘍 肺切除術 気管支形成を伴う肺切除等 13 6.31 9.1 0 67.69
040020xx97xxxx 縦隔の良性腫瘍 手術あり(胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術) 8.4
040040xx97x01x 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病あり 17.82
 当院の呼吸器外科では、肺がん、自然気胸、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍のほか、呼吸器全般の疾患を対象とした外科治療を行っています。肺がんの患者さんが増加したことや近隣の総合病院に呼吸器外科の常勤医師が在籍していない状況もあり、2020年の全身麻酔手術はコロナ禍の中200件を超え、2019年とほぼ同数でした。
 当院は主に肺がんの患者さんの手術を行っておりますが、手術の適応につきましては呼吸器内科の医師と連携しながら決定しています。また、心大血管の合併切除が必要と考えられる患者さんに対しては、心臓血管外科と一緒に手術を行っておりますが、手術の適応は慎重に決定しています。なお、2020年12月からは手術支援ロボット(ダヴィンチ)による肺葉や肺区域切除、縦隔腫瘍摘出術などを開始しました。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 78 10 10 29 23 11 1 8
大腸癌 34 38 51 53 30 19 1 8
乳癌 48 50 3 3 5 15 1 8
肺癌 85 27 75 121 128 101 1 8
肝癌 14 12 4 2 18 45 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 現在、日本で最も罹患率が高い5つのがん(胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がん)の病期(Stage)ごとの症例数を集計したものです。がんの症例数を調べることで、その病院がどの程度がんに対して積極的に治療をしているのかを知ることができます。また、病期分類別に見ることで、その病院の診療の幅広さを知ることができます。当院では、化学療法が外来で行われていることから、入院における胃がん、大腸がん、乳がんの再発治療が少なくなっています。また、肺がんではStageⅣの症例が多いことから、重症の患者さんが多いことが分かります。なお、検査入院においてがんの確定に至らない場合の場合のStageは不明となっています。
※ 病期(Stage)とは、がんの進行状態を示すものであり、0期からⅣ期の5つに分類されます。
  0期に近いほどがんが小さくとどまっている状態であり、Ⅳ期に近いほどがんが広がっている状態となります。
  なお、0期は集計対象外のため、上の表から除外しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 20 11.45 56.90
中等症 104 15.82 76.00
重症 53 21.38 82.36
超重症 24 20.54 83.88
不明 0 0.00 0.00
 成人(20歳以上)の肺炎患者さんについて、重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を集計したものです。市中肺炎とは普段の生活で罹患した肺炎のことです。肺炎は罹患率が高いうえ死亡率も高く、悪性新生物、心疾患、老衰、脳血管疾患に次いで国民の死亡原因の上位に位置する疾患です。肺炎の治療には総合的な対応が求められるため、多職種によるチーム医療が必要な疾患の一つと言えます。当院では、肺炎症例が多いこともあり、市中肺炎・院内肺炎のガイドラインに準じて適正な抗菌薬を選択し、入院期間の短縮化・耐性化予防を図る一方、重症例では人工呼吸管理・栄養管理を含む全身管理を実施し、救命率の向上に努めています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 339 18.55 73.88 38.14
その他 15 19.20 70.80 1.69
 脳梗塞の患者さんについて、患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計したものです。脳血管疾患も死亡率の上位に位置する疾患であり、脳梗塞の場合、早期に治療を行うことが効果的とされています。救急で搬送された患者さんも多く、受け入れには救急体制の確保が必要となります。当院においては、救急車により搬送される患者さんの割合は50.3%であり、30日以内に再入院となる患者さんの割合は0.3%、死亡退院となる患者さんの割合は3.7%です。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 115 2.08 9.23 2.61 74.86
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 35 0.26 5.8 0 75.14
K654 内視鏡的消化管止血術 33 0.21 10.58 3.03 66.79
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 28 3.46 3.29 0 69.57
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 28 0.54 4.04 0 67.75
 当院の消化器内科では、食道、胃、十二指腸、大腸などの消化管の診断と治療、肝胆膵疾患の診断と治療など多岐多彩にわたる臓器を分担しています。当院は三次救急病院であるため、緊急検査も多く実施しており、消化管疾患に対する内視鏡等は常時可能な状態とするよう努め、緊急時の迅速な対応を心掛けています。また、超音波内視鏡による粘膜下腫瘍の診断やがんの進達度診断の向上に努めており、早期の食道・胃・大腸がんに対しては、可能な限り内視鏡的切除を行っています。
 第1位「内視鏡的胆道ステント留置術」とは、胆管結石性胆管炎や胆管閉塞に対して胆管ステントを留置し、結石の嵌頓を解除したり胆汁を十二指腸に排泄する手術であり、第3位「内視鏡的消化管止血術」は、上下部の消化管出血に対する止血術です。このように、消化器内科における手術は主に内視鏡によるものとなります。なお、第2位「血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術)」は肝動脈化学塞栓療法(TACE)のことであり、肝細胞がんを栄養としている肝動脈内にカテーテルを挿入し、肝動脈に抗がん剤と塞栓物質を投与して血流を遮断し、がんを死滅させる治療法です。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 186 1.02 2.12 0 70.22

アブレーション

K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 115 1.55 1.31 0 69.74
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他) 64 1.23 2.38 0 59.56

アブレーション

K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 52 0.04 7.77 1.92 70.08
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 49 0.98 2.08 0 72.02
 第1、3位にあります「経皮的カテーテル心筋焼灼術」は、不整脈(上室性頻脈症、心室頻脈症、心室性期外収縮、心房粗細動等)に対し、不整脈の原因となる異常な電気の通り道をカテーテルで探して高周波電流で断ち切る治療です。アブレーション時に有力な補助診断装置である3次元マッピングシステムも導入し、より的確な治療を目指しています。尾張北部医療圏においてアブレーションを積極的に行っている数少ない施設のひとつです。第2、4位にあります「経皮的冠動脈ステント留置術」はPCIと言い、細くなってしまった冠動脈にステント(冠動脈内に留置するステンレス製のメッシュ構造をしたパイプ)を留置し血流を回復させる治療です。通常、予定のPCIでは2泊3日の入院をしていただいています。薬剤が徐々に血管壁へ溶け出す薬剤溶出性ステントは、冠動脈治療後の再狭窄(治療部位が数ヵ月後にまた細くなる現象)を予防する効果があり、現在、カテーテル治療の主流となっています。従来の治療では良い成績が得られなかった糖尿病の患者さんや細い血管、長い病変、分岐部の病変などにおいて、このステントを使用することで成績が向上しています。第5位にあります「四肢の血管拡張術・血栓除去術」は、閉塞性動脈硬化症に対しカテーテルを血管内に通してステントやバルーンを留置し、血管を広げて血管の詰まりなどを取り除く治療です。
 なお、生命を脅かす急性冠症候群(急性心筋梗塞・不安定狭心症)に対しては、24時間体制で小牧市周辺を中心とした尾張北部医療圏の急性期循環器疾患治療を担っています。緊急カテーテル治療は厳重な集中管理を行うことで救命に大きな成果をあげています。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満)
 「リンパ節摘出術(長径3cm未満)」は、リンパ節の生検目的に行いますが、耳鼻いんこう科や外科に依頼して実施しています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 33 2.39 7.55 6.06 68.73
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回)
K610-3 内シャント又は外シャント設置術
 他科入院において実施したものや、主たる手術としてカウントされていない手術を含めますと、2020年にはシャント手術を65件、経皮的血管形成術(シャントPTA)を22件実施しています。当院では、末期腎不全の治療法として、血液透析、腹膜透析、腎移植の全ての治療に対応しています。内シャント設置術は原則として入院で行っており、これが第1位の手術となっています。腹膜透析の場合には、外科において腹膜透析カテーテル挿入術を行い、腎移植は泌尿器科で行っています。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度)
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度)
K653-3 内視鏡的食道及び胃内異物摘出術
K7151 腸重積症整復術(非観血的なもの)
 当院の小児科では、新生児・小児科的疾患全般を担当しています。新生児疾患においては、尾張北部を代表とする地域周産期母子医療センターとして、新生児特定集中治療室(NICU)や新生児治療回復室(GCU)を備え、24時間365日にわたり地域の周産期医療を行っています。当院内のみならず、近隣産科開業医からハイリスクの妊婦さんを母体搬送していただき、産科と協力し地域の周産期の業務も担っていることから、新生児仮死蘇生術が第1位、第2位となっています。
小児的疾患においては、その多くが内科的治療であることから手術症例は少数となっています。このため、「鼓膜切開術」や「口蓋扁桃手術」は耳鼻いんこう科へ依頼して実施しています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 175 1.06 3.48 0 62.96
K6335 鼠径ヘルニア手術 98 1.01 1.2 1.02 70.44

腹腔鏡下鼠径ヘルニア

K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 64 1 6.67 0 62.67
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 60 2.42 8.97 0 70.68
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈,静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 41 0.1 1 0 66.88

ポート造設術(2日間)

 当院は、地域がん診療連携拠点病院として、がんに対する手術も積極に実施しています。2020年度の主な実績は以下のとおりです。
 ・胃がんに対する手術:胃切除術(腹腔鏡下含む)33件、胃全摘術(腹腔鏡下含む)9件 等
 ・大腸がんに対する手術:直腸切除・切断術(低位前方切断術)(腹腔鏡下含む)13件 等
 ・乳がんに対する手術:乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)64件、乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)27件、
                乳房切除術(胸筋切除を併施しない)35件 等
 外科では、体に負担の少ない腹腔鏡手術についても良悪性を問わず積極的に取り入れており、その対象は胆石症、鼠径ヘルニアなどの良性疾患から、技術的に難しい胃がん、大腸がんなどの悪性疾患まで多岐にわたります。2019年の新病院移転の際に手術支援ロボット(ダヴィンチ)を導入し、より精密かつ安全性の高い治療を提供しています。
 乳がんの手術では根治性を損なわずに後遺症を減らす目的でセンチネルリンパ節生検行い、切除範囲の縮小を図っています。また、乳房再建術についても適用を判断しながら形成外科と共同して行い、乳房手術によるボディー・イメージ変化の悩みに対応しています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 68 0.1 9.38 14.71 76.66

慢性硬膜下血腫

K1781 脳血管内手術(1箇所) 34 0.68 12.15 20.59 64.12
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 27 2.93 6.93 3.7 75.37
K178-4 経皮的脳血栓回収術 25 0.48 20.72 68 72.68
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内) 20 1.1 25.8 95 64.55
 当院の脳神経外科では、顕微鏡手術のほか、ガンマナイフを含む画像診断を用いた定位脳手術、内視鏡手術、カテーテルを使用した血管内手術、難治性疼痛に対する刺激電極挿入など、幅広く脳神経外科疾患の最先端の治療を専門的に行っています。また、名古屋大学脳神経外科教室と連携し、いつでも大学病院と同等の先端治療が提供できるよう努めております。開頭手術は、脳腫瘍や脳動脈瘤クリッピング術を中心とした血管手術を幅広く行っています。近年は術後の機能温存の観点から、術中ナビゲーションは当然のことながら、生理検査技師の協力のもと術中神経モニタリングを多くの症例で行っています。また、悪性グリオーマにおける5-アミノレブリン酸という薬剤を用いた術中蛍光診断や脳動脈瘤クリッピング術におけるICGという薬剤を用いた術中蛍光血管造影など顕微鏡に搭載された蛍光装置を使用した手術も実施しています。緊急手術、血管内手術をはじめとした急性期の治療に続き、患者さんの全身管理を行い、早期にリハビリテーションの導入を図り、早期の機能回復を目指しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 151 0.58 12.68 56.29 76.99
K0821 人工関節置換術(肩,股,膝) 130 1.92 19.01 17.69 71.61

人工股関節置換術

人工膝関節置換術

K0462 骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨) 60 1.73 4.5 6.67 55.63
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 59 2.25 16.95 76.27 82.31
K0463 骨折観血的手術(鎖骨,膝蓋骨,手(舟状骨を除く),足,指(手,足)その他) 45 1.69 4.31 8.89 52.82
 当院の整形外科では、上肢、下肢、脊椎と広く運動器の疾患・外傷を治療疾患としておりますが、特に外傷および関節外科領域の症例が多いのが特徴です。第1位に「骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿)」とありますが、そのうち113件が大腿部の手術です。患者さんの術後の生活の質(QOL)を考慮し、最先端の治療法を積極的に取り入れており、できる限り侵襲の少ない手術方法を選択しております。高齢者の大腿骨頸部骨折の治療では、認知症などの合併症を予防する目的で積極的な手術療法と術後の早期リハビリテーションを行っています。
 また、大腿骨頸部骨折におきましては、地域連携パスにより当院と他の病院や診療所が術後リハビリテーションを連携することにより、救急外傷の患者さんのためにベッドを確保するように努めています。結果として、第1、2、4位にあります「大腿骨近位骨折の手術」における転院率が非常に高い状況となっています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 54 0.93 3.83 0 38.67

腹腔鏡手術(4日間)

K877 子宮全摘術 52 0.98 6 0 50.65

開腹手術

K867 子宮頸部(腟部)切除術 39 1 1 0 37.97

脊椎麻酔下腟式手術

K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 30 1 3.97 0 47

腹腔鏡手術(4日間)

K879 子宮悪性腫瘍手術 20 1 6.25 0 61.15

開腹手術

 上記の表からは除外対象となっておりますが、帝王切開術(選択帝王切開)97件、帝王切開術(緊急帝王切開)68件を実施しています。
 当院の産科部門においては、新生児特定集中治療室(NICU)新生児治療回復室(GCU)も備えており、尾張北部医療圏の周産期母子医療センターに指定されていることから、近医よりハイリスク妊娠の紹介例も多く、小児科をはじめ他科の協力のもと母児の管理を行っています。
 また、婦人科部門においては、卵巣腫瘍、子宮筋腫、性器脱などの良性腫瘍の保存療法と手術治療を行っており、悪性腫瘍に対しては、手術に加え病期に応じて化学療法や放射線治療を行っています。症例に応じて腹腔鏡手術も導入(腹腔鏡下膣式子宮全摘術、子宮鏡下子宮筋腫摘出術など)しています。
耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 46 1 6.11 0 22

口蓋扁桃摘出術

K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 25 1 4 0 60.08

全身麻酔ESS

K4631 甲状腺悪性腫瘍手術(切除) 15 1 5.4 0 53.33

甲状腺摘出術

K4571 耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺浅葉摘出術) 14 1 4.43 0 65.36

全身麻酔ドレーンあり

全身麻酔ドレーンあり(ロング用)

K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(片葉のみ) 12 1 5.5 0 58.67

甲状腺摘出術

 当院の耳鼻いんこう科では、地域の中核病院として耳鼻いんこう科・頭頸部外科全般の疾患を治療対象としています。特に慢性中耳炎・真珠腫の手術的治療、鼻副鼻腔炎及び鼻茸症に対する内視鏡下鼻副鼻腔手術、頭頸部腫瘍、甲状腺腫瘍の治療を重点目標としています。
 第1位にあります「口蓋扁桃手術(摘出)」は基本的には全身麻酔で行っています。新型コロナウイルス感染症の感染拡大前では、患者さんの60%程が15歳以下の小児でしたが、感染拡大以降、小児の割合が低下し、2020年度における15歳以下の小児の割合は34.7%でした。第2位の「内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)」は主に副鼻腔炎に対する手術ですが、内視鏡手術を基本として、できるだけ侵襲を少なくして入院期間を短縮するようにしています。副鼻腔炎以外では、乳頭腫を主体とする腫瘍性疾患や真菌症などがありますが、症例によっては根治手術を選択しています。内視鏡手術後は外来にてマクロライド少量投与療法を行い、定期的にX線・CTなどによりチェックし、鼻茸の再発に対しては外来手術で対応しています。
 また、頭頸部腫瘍の治療において、良性腫瘍の場合は基本的には手術的治療が第一選択となります。悪性腫瘍の場合は、化学療法・放射線治療・手術治療を組み合わせて、できるだけ機能保存を目指していますが、疾患の性質上、機能を犠牲にしなければならない場合も多くなります。まずは生命予後の確保を第一として、拡大手術が必要な症例では、形成外科や外科と共同で治療を行っています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 20 0.95 1 0 75.95

白内障手術(2泊3日)

K2422 斜視手術(後転法)
K2425 斜視手術(直筋の前後転法と斜筋手術)
K2424 斜視手術(斜筋手術)
K2761 網膜光凝固術(通常)
 当院の眼科では、各病院やクリニックとの連携を大切に患者さん本位の医療を目指しています。主に白内障手術を行っており、身体や眼の状況によっては日帰り手術も行っております。外来での白内障手術は、411件実施しています
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 159 1.08 1.5 0 73.13
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 131 1.02 1.5 0 60.27
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 52 1 8.9 0 72.17
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 50 0 1 0 58.74

体外衝撃波結石破砕術

K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 49 0.82 9.78 4.08 71.96
 当院の泌尿器科では、上部尿路結石治療として体外から衝撃波で破砕するESWL装置を1987年10月に愛知県下で最も早く導入し、1991年7月に日本で最初に腹腔鏡による腎臓摘出手術を施行、1992年に世界に先駆けて腎癌に対する腹腔鏡下根治的腎摘術を行うなど、先進的治療を積極的に取り入れているのが特徴です。近年では、腎部分切除、尿膜管遺残切除、腎盂形成術、尿管切石術、仙骨膣固定術など、今までは開腹で行っていた手術を順次腹腔鏡で行うようになり、新病院移転後の6月からは手術支援ロボット(ダヴィンチ)を用いたロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術を開始しました。
 第1位にあります「膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)」は、膀胱がんに対して内視鏡で腫瘍を切除する手術です。第2位にあります「経尿道的尿路結石除去術(レーザー)」は、腎結石症、腎盂結石症または尿管結石症に対し、内視鏡を用いてレーザーで結石を破砕・摘出する手術です。そのほか、第3位にあります「腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる)」は手術支援ロボット(ダヴィンチ)を用いた手術であり、2019年度は33件の実施でしたが2020年度は52件と大きく増加しました。このように地域がん診療連携拠点病院として、がんに対する手術も積極に実施しています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K227 眼窩骨折観血的手術(眼窩ブローアウト骨折手術を含む)
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上12cm未満)
K288 副耳(介)切除術
K427 頬骨骨折観血的整復術
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満)
 当院の形成外科では、浸潤治療、マイクロサージャリー(顕微鏡を覗きながら特殊な器具を用いて行う手術のこと)、顔面骨骨折、乳房の形成外科、眼瞼下垂、重症熱傷に対する治療を担当しております。外来でも積極的に手術を実施しています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) 29 3.21 17.28 3.45 66.17

心臓血管外科手術

K5612ロ ステントグラフト内挿術(1以外の場合)(腹部大動脈) 23 1 4.57 0 76.04

心臓血管外科手術

K5541 弁形成術(1弁) 16 1.88 16.5 0 67.44

心臓血管外科手術

K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)(2吻合以上)

心臓血管外科手術

K5551 弁置換術(1弁)

心臓血管外科手術

 虚血性心疾患の手術は、冠動脈バイパス移植術が主体で、両側内胸動脈、胃大網動脈、橈骨動脈、大伏在静脈をグラフトとして使用しています。脳梗塞の合併を予防するため、早くから人工心肺を使用しないで冠動脈バイパス術を行うOPCAB(心拍動下冠動脈バイパス術)を導入しており、手術成績も良好です。小さな傷(手術の部位にもよりますが、5-6cm程度の傷での手術も可能)で行うMICS(低侵襲性心臓手術)という手術も導入するなど、患者さんに負担の少ない治療法を積極的に行っております。また、心臓弁膜手術において日本でいち早く僧帽弁形成術を行い、内視鏡下手術を導入するなど最先端の治療方法を行っております。弁膜症に対し、患者さんの術後の長期間に及ぶ生活の質(QOL)に特に優れております弁形成術に注力し、弁膜症センターを開設しました。術後管理には、CDC(米国国立防疫センター)のガイドラインに準拠した抗生物質の使用法、カテーテル管理法を採用し、さらに早期経胃腸栄養法、側臥位呼吸管理法を行い、合併症の予防に努めています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 48 4.71 4.65 0 38.75
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 28 1.89 4.25 0 72.64
K5143 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 23 2.22 11.52 4.35 73.09
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 17 2.29 7.29 0 65.47
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 13 2.38 7.54 0 72.54
 当院の呼吸器外科では、肺がん、自然気胸、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍のほか、呼吸器全般の疾患を対象とした外科治療を行っています。上記にもありますように、主に肺がんの手術を行っており、手術の適応につきましては呼吸器内科の医師と連携しながら決定しています。スリガラス状陰影が主体となる異常影はCT下マーキング後、胸腔鏡を併用した小開胸で切除し、リンパ節転移のない小型肺がんについても胸腔鏡で肺切除とリンパ節郭清を行っています。縦隔リンパ節腫大症例は、できる限り縦隔鏡で診断し化学療法後に手術を実施しています。他臓器浸潤例は、安全に切除可能な症例は合併切除を行いますが、危険な症例はよく話し合って方針を決定しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 2 0.02
異なる 14 0.12
180010 敗血症 同一 25 0.21
異なる 26 0.22
180035 その他の真菌感染症 同一 9 0.08
異なる 3 0.03
180040 手術・処置等の合併症 同一 69 0.59
異なる 17 0.14
 その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)とは、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして定義されている感染症や合併症の症例数と発生率を集計したものです。
 「入院契機と同一」とは上記の傷病名がきっかけで入院した患者さんのことであり、「入院契機と異なる」とは入院のきっかけとなった疾患は上記の傷病名ではないものの、その後に上記の傷病名を発症し、入院時の疾患より多くの医療資源(治療)を費やした患者さんのことです。また、「手術・処置等の合併症」とは、主に手術後の出血、手術後の創部感染、人工関節の脱臼やゆるみなどです。
 一般的に発生率が低いほど医療の質が良いとされていますが、患者さん自身の免疫力が低下している場合に合併して発生することが多いことから、コントロールが困難な症例とも言えます。当院は尾張北部医療圏における三次救急指定医療機関であり、重篤な疾患の合併症として発症するケースが多いといえます。
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