ガンマナイフの概要
ガンマナイフとは
ガンマナイフ装置は、内部にコバルト60のガンマ線源を201個備えており、その多数のガンマ線ビームを一点の病巣に集中して照射させることができる構造となっています (機械誤差は 0.2 mm 以下) 。病巣の大きさと形に合わせて、5,10,15,20 mm の4種類の大きさのビームを作り出すコリメーターを使い分けて、正常な脳組織を避けて、確実に病変部位に放射線を集中します。これにより、開頭手術を行わずに脳深部の病巣を治療することができます。治療に際しては、脳内の病変を正確にドームの中心におくために、局所麻酔下に、頭部に定位脳手術用の頭蓋固定フレームを装着した後、MRI、CT、脳血管撮影などの必要な検査を行い、病変の座標を正確に計測して行います。全身麻酔を必要とする開頭術を行うことなしに病変の治療が可能であるため、入院期間が3日間と極めて短くて済みます。また、病変部以外の正常脳組織に対する影響は極めて少ないため、安全に治療することができます。対象となる疾患は様々な脳腫瘍のほか、脳動静脈奇形などの血管異常、最近では三叉神経痛などの機能的疾患でも有効性が確立されてきています。

ガンマナイフの歴史
1950年代,スウェーデンのカロリンスカ大学の脳神経外科医 Lars Leksell により脳定位的放射線治療装置の開発がスタートし、1968年にコバルト60 を用いたガンマナイフ1号機が完成しています。Leksell はこれをまず除痛、不随意運動症などの機能的疾患の治療に応用しようとしました。その後、1975年になり、コバルト60からのガンマ線の強い生物学的作用に注目し、Leksell は脳動静脈奇形、脳腫瘍への応用を考えて第2号機を導入しました。以後、カロリンスカに続いて、1980年代初めにロサンゼルス、シェフィールド (イギリス)、ブエノスアイレス、ピッツバーグへと次々と世界の各地に導入されました。現在、日本では当院を含め44台が活躍中です。
ガンマナイフ治療
ガンマナイフの治療は特別に緊急を要するものを除き、完全な予約制で行います。症例の御紹介をいただいた場合、当院のガンマナイフチームにより、その適応および治療の時期を十分に検討して、治療日を決定いたします。治療は基本的に2泊3日で行います。治療前日に入院していただき、一般的な全身的検査をまず行います。治療当日は局所麻酔下に頭部にフレームを装着した上で神経放射線学的検査(脳動静脈奇形では脳血管撮影およびMRI,脳腫瘍では MRIあるいは CT)を行います。これにより病変の部位から照射部の座標を決定します。ワークステーションにより照射計画を決定して治療に入ります。照射はガンマナイフ室で行い1回の照射は5から10分程度です。病変部が大きい場合、形状が複雑な場合には照射を数回、連続して行うことがあります。治療時間は病変の種類・大きさにより異なりますが、30分から1時間位です。以上の治療操作は、すべて意識のある状態で行います。頭部フレームの取付けの際には、静脈注射による鎮痛を併用するため、苦痛は最小限で行います。治療翌日の午前中に退院となります。治療後は3から6ヶ月ごとに定期的に MRI、CT
などの画像診断により、病変に対する治療効果を観察します。たとえば、脳動静脈奇形の場合、完全な消失が得られるまでに2から3年を必要とします。





